エンジン不始動修理(5) [メンテ・工具]
ヘッドのオーバーホールが済んだので、組み立て前にシリンダーとピストンの点検を。
剥がしたヘッドガスケットを点検。
あちこち黒いコーティング部分がシートメタルから剥がれていて、水穴から漏水の痕があります。
やはり燃焼室への冷却水混入はヘッドガスケットの劣化とみて間違いなさそうです。
シリンダのヘッド側合わせ面を見ると、水漏れの痕が明らか。
ピストンは傷もなくリングの張力もヘタっておらず問題なし。
組み立て前に、シリンダのヘッドとの合わせ面をオイルストーンや耐水ペーパーで磨いて古いガスケットや汚れを除去。
クランクケース側も同様に磨いて、ついでにブロック外側を耐熱ラッカーで塗装。
きれいにしても組み立て後は見えなくなるのが残念。
ピストンもアンモニア系のキャブクリーナで洗浄してスラッジやカーボンを除去。
スラッジで貼り付き気味だったピストンリングも張りが戻りました。
新しいガスケットを入れてピストンをリングを折らないように気を付けてシリンダーを嵌め込んで取付。
ヘッド側の合わせ面もガスケットの貼り付きが良くなるよう磨いて、
新しいヘッドガスケットを入れてヘッドを取付。
ヘッドカバーを取り付ける前に、カバーからのオイル滲み対策。
タペット調整カムのカバー貫通部のOリングを交換。
古い方のリング(右)は痩せて硬化していました。
このタペット調整カムは、偏芯したシャフトにタペットのピボットが取付られており、偏芯軸を回すことでタペットの取付高さが替わってカムやバルブとの距離が調整出来るため、カバーを開けずにバルブクリアランスが調整出来るという優れもの。
タペットのスリッパーなど摺動部にアセンブリーコンパウンドを塗り、カバー合わせ面のパッキンも新品に交換してヘッドカバーを取付。
あとはキャブとホース類の取付、冷却水の補充とオイル交換、外装の組み立てが残っています。